冬の暮らしの工夫

快適な冬の体感温度

まずはじめに知っておきたいのは、人が感じている体感温度は、室内温度と床・壁・天井・開口部の表面温度を足して2で割った温度ということ。『FPの家』は高い断熱性と気密性があるため、部屋の暖めた熱が室内の床・壁・天井等の仕上げ材に暖められた快適な熱を蓄熱してくれます。真冬にスリッパなしで床を歩いても冷たく感じないのはこのためです。

冬場に快適に感じる温度は室温18℃〜22℃と言われています。断熱・気密性能が低い一般住宅(イラスト右)のように壁表面の温度が低いため暖かくするために室内温度を25℃まで上げなくててはなりません。一方、『FPの家』は温度がほぼ均一に保つことが出来るため快適で省エネ効果も高いというわけです。

室温20℃〜22℃の場合、室内でも比較的薄着で過ごすことができます。ただし、温度を上げると相対湿度が下がり、乾燥気味になりやすいため加湿が必要になる場合もあります。室温18℃〜20℃では、薄着の状態に1枚はおるだけで快適に感じることができるのではないでしょうか。

ただし、個人により快適な体感温度は違います。

男女差だけでも3℃〜5℃の体感温度差があると言われています。これは、平均体温の違いや、筋肉量の違いなどによるものです。一般的に男性は暑がり、女性は寒がりと言われていますが、性別以外に個人差もあります。このことを理解し尊重し合いながら室内の温度調整を計ってください。

快適に感じる湿度は40%〜60%。冬場は湿度が高くなると暖かく感じます。室温をある程度低めに抑えても湿度を上げることで、温度以上に暖かく感じることができます。

冬を快適に暮らすために

簡単にできる暮らしの工夫

各部屋のドアを締め切らずに開けておくと、温度が均一になりやすいものです。お風呂のドアも入浴中以外は開けておくと良いでしょう。これだけで1〜2℃の違いが生まれます。また、調理をするだけでも部屋は暖まります。例えば、鍋料理は体が温まるとともに、湯気が室内を加湿してくれますのでほっこりと温まることができます。

壁に比べ断熱性の低い窓のそばや窓下では冷やされた空気が下に流れていきやすい場所となりますので、人が寛ぐテーブルやソファー、ベッド等の置き場所に気をつけたり、暖房器具の置く位置を工夫することで快適さがかなり違ってきます。
冬でもシーリングファンや扇風機、サーキュレーターを賢く利用すると空気の温度ムラをなくしてくれますよ。

積極的に日射を取得する

冬は太陽の日射熱を暖房として活用することで、さらに省エネになり快適に住まうことができます。実は、掃きだし窓1枚(4㎡)分から入ってくる熱量は、8畳用エアコン1台分の熱量に匹敵します。南面の窓ガラスの面積の総合計が10㎡だとすると、20畳用エアコンの最大熱量にも達する計算にもなります。地域や建物の向きによって、太陽光の入り方は異なりますが、日中は南側から、朝方は東側、夕方は西側から直接光が降り注ぎます。これ以外の時間でも間接光は入ってきます。プライバシーを確保しながら、カーテンを開けて効率良く太陽日射熱を取りこみましょう。

上手に加湿して過乾燥を防ぐ

高断熱・高気密住宅の特徴として、冬暖かい分、室内の相対湿度は下がってしまいます。場合よっては過乾燥状態になることがあるかもしれません。過乾燥状態は、1〜2年住むことによって慣れてしまうケースも多いようですが、個人差がありますので自分のに合った乾燥対策をみつけてください。 

●加湿器の種類
(1)気化式 水を含んだフィルターにファンで風を送り気化させる方式。洗濯物を乾かしたり、ホテルで水に濡らしたバスタオルを使い加湿する方法などが近いイメージです。ヒーターを使用していないので、吹き出し口が熱くならず、送風のみなので消費電力が少なくすみます。
(2)スチーム式 ヒーターで水を加熱沸騰させて蒸気に変える方式。やかんでお湯を沸かすのと同じ原理。水を加熱するので衛生的ですが、吹き出し口が熱くなります。こまめな掃除が必要です。
(3)ハイブリッド式 気化式をベースとして、湿度が低い時はフィルターに含んだ水分に「温風」をあてて加湿量を多くし、温度が安定してきたらヒーターを切り、「送風」のみで加湿を一定に保つタイプ。吹き出し口は熱くなりません。
(4)超音波式 水に超音波をあてることで微粒子にし、それをファンで送り出す方式。霧吹きのようなイメージと言えるでしょう。加湿能力も高いのですが、タンク内の水を衛生的に保たないと、吹き出す蒸気に雑菌が混ざりやすいので気をつけましょう。
(5)加湿機能付きエアコン 最近の省エネタイプエアコンには、加湿機能付きもあります。

 

●生活の工夫による加湿
(1)洗濯ものを室内に干す。
日中過ごすリビングにスタンド式のパイプハンガー掛けに干しておいたり、就寝時には夜間の寝室に干すようにするのも加湿効果があります。
(2)浴槽のお湯を残したままフタをせずに、ドアも開けたままにして過ごす。
(3)お料理の煮炊き、食器洗浄でも加湿されます。
(4)観葉植物も効果はありますが、かなりの量がないと効果はあまり感じられないかもしれません。
(5)保水液や保湿クリーム等を利用する。
※ご注意:加湿する場合は窓ガラスに結露しない程度にしましょう。